学童期の作業療法

作業療法士が働く場所は様々です。 

私は高齢者分野で働いていますが、身体障害分野、精神障害分野、発達障害分野と分けられるのが一般的です。

リハビリテーションと言われると、どのようなイメージが浮かぶでしょうか?

おそらく、多くの人は身体機能の改善・治療をイメージすることと思います。

歴史的な背景や、医療保険を利用したリハビリテーションでは、治療の概念が成り立つのだと思いますが、

作業療法士の行う業は日常生活活動の改善が主ではありますが、作業という概念はもっと広く、

生活の中でしたいこと、

しなければならないこと、

することが期待されていることを

作業と呼びます。

もっと簡単に言うと、生活の中の 経験 すべてを作業と呼びます。

作業を行うにあたり、その要素として運動・感覚・心理・社会機能が遂行要素になります。

これだけの遂行要素を駆使し生活は行われているのですが、全ての人が同じように経験し、発達する訳ではありません。

原因はさまざまですが、ひとの成長過程である学童期においても、この遂行要素の発達には、ばらつきがあります。

このばらつきに焦点を当てることのできる専門家が作業療法士です。

基本となる視覚・前庭感覚・固有感覚・触覚・聴覚から姿勢やバランスを取ったり、眼球運動が発達してきます。

そして、身体図式(ボディーイメージ)が発達し、自分の身体の大きさや形がしっかりとイメージできるようになり、

頭の中で自分の身体と動き、工程をイメージする運動企画が発達します。

次に、巧緻動作として目で見たところに正確に手を伸ばすなど、目と手の協応が発達、聴覚の統合から、言葉が発達していきます。

最終段階として

「集中力」

「自尊心」

「自信」

「学習能力」などの最終産物へと繋がってくのです。

このような過程の中で、バラツキを理解し、生活場面や遊びに取り入れることで、その子にあった成長を支援することができるのです。 

それが、生きることの支えになります。

この事業を通して、学童期の子どもたちへ作業療法を届けることができればと思います。